第41回STクラブ

日時 2022年5月25日(水)18:30~20:30

場所 じばさんびる 501会議室
 http://www.jibasan.or.jp/conference/access.html

内容(タイムスケジュールをつけています)

(18:30~18:35)
1.開会の挨拶 産学連携・研究推進機構副機構長 豊田紀章 先生

(18:35~18:40)
2.学長挨拶 太田 勲 先生

3. 研究発表
  発表時間(各テーマ トーク20分、Q&Aを含む討議15分…合計35分 討議に時
間をかけているのも本STクラブの特徴です。)

(18:40~19:15)
(1)発表者:環境人間学部 教授 加藤陽二 先生

   テーマ:食成分によるコロナウイルス酵素阻害 ~食でコロナウイルスを
制御できるか?~

   概 要:新型コロナウイルスが蔓延し、mRNAワクチンや中和抗体薬(点滴)
など「コロナと戦う」ためのツールが開発されてきた。経口治療薬は自宅でも服
用出来て医療機関の負担減につながることから、メルク社はウイルス酵素RNAポ
リメラーゼ阻害を、ファイザーと塩野義製薬はコロナウイルスの酵素メインプロ
テアーゼ阻害を狙った経口薬を各社で開発している。
 一方、薬ではなく、日々の「食」によりコロナウイルス感染を制御できないだ
ろうか。我が研究室では食品成分が酵素メインプロテアーゼを阻害するのではな
いかと考え、2020年春から研究を開始し、すでに学術論文も1報発表している(
2021年10月 オンライン公開)。
 今回、これまでの研究成果を振り返りながら、最新データを紹介するとともに、
越えなければならないハードルについても述べる。

(19:15~19:50)
(2)発表者:工学研究科 准教授 山添大丈 先生

   テーマ:人と適切にインタラクションを行うコンピュータ・ロボットの実
現に向けて

      概 要:コンピュータやロボットが人と適切にインタラクションを行うた
めには,相手の人物の興味・感情などの内部状態を理解することが重要である.
人の内部状態は,顔表情や視線,身体の動きなど様々な人の行動として表出され
ているため,内部状態の違いによって生じる人の振る舞いの違いに着目し,行動
の変化から内部状態を推定することを目指し研究を進めている.例えば,対話中
の顔の向きや視線方向の変化から対話に対する集中度の推定を目指す研究などを
進めている.
 また,ロボットとのインタラクションにおいては,ロボットの内部状態を適切
に表出することも重要となる.それに向けて,ロボットの振る舞いの変化による
ロボットに対する印象変化の分析なども進めている.
 本発表では,人の内部状態推定や,ロボットによる内部状態表出を中心に,い
くつかの研究例を紹介する.

(19:50~20:25)
(3)発表者:工学研究科 助教 唐 佳藝 先生

   テーマ:Pd系触媒の水素吸蔵メカニズムの解明

   概 要:遷移金属とりわけパラジウム,白金,ロジウムなどの貴金属は,
アルケンの水素化反応に優れた触媒作用を示すことが知られている。
 最近、新たなエネルギー源として水素エネルギーの利用技術開発が進められて
おり、水素吸蔵能の大きい金属であるパラジウム(Pd)の水素貯蔵や,水素精製
膜などへの利用が期待されている。しかし、パラジウムの表面からバルク内にい
たる広い範囲における水素の振舞いは複雑であり、水素をエネルギーとして活用
するためには、高純度水素を高効率かつ安定的に供給することが課題である。
 本研究では、雰囲気光電子分光法(APXPS法)を利用し、水素ガス雰囲気中Pd
系触媒表面の電子状態を調べることで,表面に吸着された水素状態、水素原子が
表面から内部に侵入するメカニズムが明らかになった。

(20:25~20:30)
4.閉会の挨拶 平野正幸 副理事長

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