第49回STクラブを開催しました。
日時 2023年9月28日(木)18:15~20:15
場所 じばさんびる 501会議室 http://www.jibasan.or.jp/conference/access.html
参加費用 1,000円(飲食用 発表者は無料)
内容(タイムスケジュールをつけています)
(18:15~18:20) 1.開会の挨拶 小川佳宏 副理事長兼事務総長
(18:20~18:25) 2.学長挨拶 髙坂 誠 先生
3. 研究発表 発表時間(各テーマ トーク20分、Q&Aを含む討議15分…合計35分)
(18:25~19:00)
(1)発表者:減災復興政策研究科長 教授 永野康行先生
テーマ:『減災復興学』を活用した建築設計
概要:減災復興政策研究科は、防災に関する多分野・多機能にわたる機 関が多く集積する神戸市の東部新都心として開発された「HAT神戸」の地にお いて、独立した大学院として2017年4月に開設されました。 減災復興学とは、「減災の総合化」という視点から減災と復興を一体的に捉え て、安全で安心できる社会の持続的発展を目指すための学問体系をいいます。こ の減災復興学を活用し、建築物の設計を行うと何がどう良いのか。普通の建築設 計とはどう違うのか。 「減災の総合化」とあらゆる人々に届く「政策の現場化」を大切にするという 考え方を科学的な視点から実践することにより、新たな着眼をもつ建築物の設計 法を構築しようとしています。 減災復興政策研究科や永野研究室での取り組みを紹介させていただきます。
(19:00~19:35)
(2)発表者:(国研)情報通信研究機構未来ICT研究所神戸フロンティア研究セ ンター神経網ICT研究室行動神経生物学プロジェクト 主任研究員 原祐介先生
テーマ:“食”を“いのち”へと変換する昆虫脳インスリン細胞の謎
概要:ヒトと比べて、昆虫の脳は遥かに小さい。しかし、昆虫はその小 さな脳を使って多彩な行動を巧みにコントールしている。僅かな計算資源で複雑 な情報処理を瞬時に行い、柔軟な行動制御を実現する昆虫脳には、既存のICTと は異なる極めて効率的な動作原理があるに違いない。その秘密を解き明かすため、 現在私たちはキイロショウジョウバエというモデル生物の脳の活動を記録し、そ の制御を試みている。 キイロショウジョウバエは温度や日長などの環境情報と栄養やストレスなどの 内部感覚の両者に基づいて、行動を柔軟に変化させ、また恒常性を維持している。 この行動変化と恒常性維持には、脳にあってインスリンを合成するニューロン( IPCと呼ばれる)が重要な役割を担っている。 これまでの研究で、「ハエが何を食べたか」によってIPCがその温度応答を大 きく変化させ、それを介して行動・生理の適応的調節に寄与することが明らかと なってきた。 本講演ではIPCに関する最近の研究成果を紹介する。
(19:35~20:10)
(3)発表者:工学研究科 准教授 人工知能研究教育センター長 森本雅和先生
テーマ:AI画像認識の現場導入における注意点 ~失敗事例に学ぶ~
概要:DX化が急速に進んでいる現在,AI画像認識の重要性はますます高 まっており,様々なプロジェクトが進められている.しかし,すべてのAI画像認識プロジェクトが成功し実用化に至るわけではなく,失敗に終わるプロジェクトも数多く存在する.失敗に至る原因の一つとして,現場のことを理解していないAI開発者と,AIの ことを理解していない現場ユーザの間の認識のズレが挙げられる. 実証実験まではうまく進められても,いざ現場導入の段階で当初想定していな かった課題が明らかになり,中断してしまうプロジェクトは多く存在する. 本講演では,これまでに開発してきたAI画像認識プロジェクトについて,実用 化に至った成功事例と実用化に至らなかった失敗事例をともに紹介し,今後のAI 画像認識システムの現場導入に際して,どのような点に注意すればよいかについ て紹介する.
(20:10~20:15)
4.閉会の挨拶 理事・副学長兼産学連携・研究推進機構長 畑 豊 先生